
トレーニングや久しぶりの運動などをした際に起こる筋肉痛。酷い筋肉痛になると日常生活に支障が出るなど、できれば早めに治したいと考えている人もいることでしょう。
そこで今回は、筋肉痛の根本的な原因と、筋肉痛を和らげる方法について解説していきましょう。
筋肉痛は細胞が炎症を起こしている状態!
日常生活において身近な存在でもある筋肉痛ですが、実はなぜ筋肉痛が起こるのかのメカニズムは解明されていません。一昔前では、運動した時に生じる「乳酸」という疲労物質が原因であると考えられていました。今ではその説は否定されており、現在では運動した際に傷ついた筋繊維を修復するときに発生する痛みでは無いかと言われています。
しかし筋肉痛というのは運動した後の翌日から痛み出すなど、タイムラグが存在します。これは筋繊維自体に痛みを感じる神経は通っておらず、筋肉の炎症が広がって痛覚神経が通っている筋膜に届くまで時間がかかるからではないかと考えられています。
このように様々な説はあるものの、筋肉については未だ謎が多く、早期の解明が求められています。
筋肉痛になったら試したい4つのセルフケア
もし筋肉痛になったら試してほしいセルフケアの方法があります。これを行えば、辛い筋肉痛の痛みを軽減させることができるでしょう。
①38℃くらいのぬるめのお湯につかる
筋肉痛になると、疲労物質である乳酸が筋肉に溜まってしまい痛みと同時に疲労感を感じることになります。
その疲労物質を早めに取り除くためにも、湯船につかるということは非常に重要です。温度は38℃~40℃くらいが適温です。
それ以上高い温度にしてしまうと湯あたりなどの原因になるため、ゆっくりとつかれる温度にしましょう。
体全体をゆっくりと温めることで血行促進に効果があり、湯船の中で軽く筋肉を揉むことで筋肉がほぐされて筋肉痛が和らぎます。
②疲労回復を促進する食品をとる
疲労回復を促進する栄養素として「ビタミンB1」があります。ビタミンB1はエネルギー代謝と疲労回復に効果があるという栄養素であり、豚肉、鶏肉、大豆、インゲン豆などの食材に多く含まれています。
しかしビタミンB1は熱によって壊れやすい栄養素なので、料理するときは過熱を最低限にするなどの工夫が必要になります。
③しっかりと休息をとる
肉体の疲労回復には睡眠が必要不可欠です。睡眠中には成長ホルモンが分泌されて、筋肉の回復を手助けします。
もし睡眠時間が短くなってしまうと成長ホルモンが十分に分泌されず、筋肉痛の回復に時間がかかってしまうことになります。
④ひどい筋肉痛にはロキソニンの薬や湿布も活用する
もし筋肉痛が酷い時は、湿布や解熱鎮痛剤も活用してみましょう。湿布の成分には、筋肉や関節の痛みを軽減してくれる「インドメタシン」や「フェルビナク」 が配合されているものがお勧めです。解熱鎮痛剤はロキソニンなどがありますが、ロキソニンは第2類医薬品に指定されているので薬剤師がいるドラッグストアか、病院で処方してもらう必要があります。
【箇所別】筋肉痛を改善するストレッチ法
筋肉痛を和らげる方法は食事や薬だけではありません。そこで、筋肉痛を改善できるストレッチ法について紹介していきましょう。
体育座りでふくらはぎストレッチ
ウォーキングなどを行うと、ふくらはぎが筋肉痛になることがあります。ふくらはぎの痛みを和らげるストレッチ法は以下の通りです。
- 体育すわりでふくらはぎの筋肉痛になっている、もしくは固くなっている場所を探す。
- 両手の指でその場所を少し強めに押す。
- この際、痛気持ちいくらいの力で押すこと。強く押しすぎると逆に悪化させる可能性があるので注意。
- その状態をキープしながら、足首を上下に10回ほど動かす
- これを3セット繰り返す
正座で太ももストレッチ
太もものストレッチと言えば、前屈などを考える人もいるかもしれませんが、前屈などは体が硬い人には中々辛いものです。そこで体が硬い人でも出来るストレッチを紹介しましょう。
- 背筋を伸ばした状態で正座をする。
- 両手を後ろへ伸ばして床に手を付けた状態で、上半身を後ろへ倒していく。
- 太ももの前面が伸びているのを感じながら、腹式呼吸を繰り返す。
ポイントは、あまり勢いよく上体を後ろに傾けないことです。勢いよく傾けてしまうと、太ももの筋肉を痛める原因になってしまいます。
そのため、ゆっくりと太ももが伸びるのを感じながら、自分の気持ちいい範囲で止めておきましょう。
寝ころんで脇腹ストレッチ
久しぶりに運動すると痛めやすいのが脇腹です。脇腹の筋肉痛は、立っているだけでも痛くなる時があるので、早めの回復のためにストレッチで回復を早めましょう。
- 膝を90度曲げた状態で仰向けに寝る。
- 両手を組んだ上体で頭上へ腕を上げる。
- 上半身がブレないように注意して、両膝をくっつけた状態で腰を左右に倒す。
- 左右5回ずつ行う
ポイントは腰を左右に振る際に上半身は仰向けの状態を保つことです。上半身が降られてしまうと、ただの左右運動となり脇腹へのストレッチにならないので注意してください。
筋肉痛にならないための4つの予防法
筋肉痛になった際の対処は重要ですが、そもそも筋肉痛にならないための予防法を身に着けることも大事です。そこで筋肉痛になりづらくなる方法を紹介していきましょう。
①運動習慣を持つ
筋肉痛は普段使っていない筋肉を急に動かす、筋肉に高い負荷をかけるなどで起こる現象です。そのため、日ごろから全身を動かす有酸素運動などの運動習慣をつければ筋肉痛になるリスクを下げることができます。
また、運動習慣を身に着けることにより全身の血行が良くなるので健康的な体を維持することができるでしょう。
②運動前と後にアプローチ
運動習慣を身に着けたとしても、ストレッチを怠ってしまえば筋肉が硬くなって血行が悪くなることがあります。それを避けるためにも運動の前後には必ずストレッチをするようにしましょう。
運動前のウォームアップやラジオ体操などの動的ストレッチ、運動後はクールダウンの軽いジョギング後にストレッチを行うようにしましょう。
③こまめに水分補給をするつ
運動中は多くの汗をかきますが、汗をかいたらこまめに水分補給をしましょう。水分補給を怠ってしまうと、脱水症状に陥る可能性が高く、また血液がドロドロになるという悪循環になってしまいます。水分補給をするときの飲み物ですが、ただの水では汗によって失われた栄養を取り戻すことが出来ません。
そのためスポーツドリンクなど、糖質を含めた栄養素が入っている飲み物を選びましょう。
④運動は段階的に負荷をかける
運動をする時に、いきなり激しい運動から始めてしまうと筋肉が急激な負荷に耐え切れずに、筋肉が傷つきやすくなってしまいます。そのため、運動は軽い運動から始めて、徐々に負荷を上げるようにしましょう。
まとめ
筋肉痛は日常生活においても発生しやすいため、予防法や改善のストレッチを駆使して、なるべく痛みを長引かせないことが重要です。しかし筋肉痛に似た症状として、同じように筋肉に痛みが現れる横紋筋融解症があります。これは急激に筋肉細胞が壊れて、最悪の場合は腎不全に陥る怖い病気です。
他にも筋肉痛に似た病気があるため、筋肉痛が普段より長引いて治らなかったり、痛みが強い場合はすぐに病院に相談に行くようにしましょう。