
おなかの不調は便秘や下痢だけではなく、身体のあらゆる不調につながる可能性があります。腸内環境を整えることで、いままで感じていた身体の不調が改善されるかもしれません。
そこで今回は、自宅でかんたんに行える「腸もみ」についてご紹介していきます。具体的な手順から効果や注意点まで解説しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
そもそも腸もみって何?
腸もみとは、おなかを手でもむマッサージ方法です。腸は歳を重ねるごとに活動が鈍り、便秘などの不具合が起きやすくなります。
そんな腸の動きを良くするために腸マッサージが有効なのです。
こんな悩みの方は腸もみがおすすめ!
腸もみは以下のような方におすすめです。いずれかに当てはまる方はぜひ試してみてください。
- 便秘がちおなかにガスがたまりやすい
- 腹部の膨満感がある
- 腰痛がある
- 肩こりがある
- 自律神経が乱れがち
- 冷え性
- 不眠がち
- ストレスがたまっている
- 代謝機能の衰えを感じる
- 生理痛がある
腸もみで期待できる4つの効果
マッサージにより腸内環境を整えることによって、期待できる効果を4つご紹介していきます。
①便秘の改善
ま ず期待できる効果は、便秘の改善です。
腸をもむことでコリがほぐされ、本来の動きを取り戻すことができます。とくに大腸の動きが改善されると、便秘の原因となる老廃物も身体の外に出やすくなります。
つまり、腸をほどよく刺激することで快便につながるというわけです。
②腰痛を和らげる
次に、つらい腰痛を和らげる効果も期待できます。便秘やガスによりおなかが張った状態になると、反対側の腰にも負荷がかかってしまうのが腰痛の原因のひとつです。
腸をもんで腸内環境が改善されることで、同時に腰痛をやわらげる効果も期待できます。
③腸のトラブル予防・改善
以 下のような腸が要因となる症状の予防や改善も見込めます。
- 中年太りメタボリック症候群
- 過敏性腸症候群
- ねじれ腸
- 肌荒れ
- 体臭
- 冷え性
- 頭痛や肩こり
- 生理痛
- 不眠
- アレルギー体質
- むくみ
- 自律神経の乱れ
④免疫力アップ
腸 もみで小腸の動きを活性化させることで、免疫力アップが期待できます。
実は、小腸には身体を守るための免疫細胞をつくる組織が集まっているんです。ですので、腸もみで小腸の動きが良くなることで免疫力が向上します。
その結果、かぜや病気の予防に効果的といわれているのです。
腸もみをさっそく実践!わかりやすい手順を解説
では腸もみの具体的なやり方をご紹介していきましょう。小腸と大腸に分けて、それぞれの手順を解説していきます。
タイミングとしては、起きた直後や入浴後がおすすめです。食前や食後はさけてくださいね。
小腸の腸もみ
小腸の腸もみは、以下の手順で行なっていきましょう。
- まず、おへそを隠すようにして両手を重ねておなかの上に置きます。
- 手を置く場所はかえずに、少し力を入れながら時計回りに手首をゆっくり動かします。
- 1周は5〜10秒程度で、これを10周ほど行います。
呼吸はとめず、ゆっくりと息をしながらリラックスした状態で行いましょう。痛いと感じるほど強く押さないように気をつけてくださいね。
小腸は毛細血管があつまっている場所でもあるので、おなかの冷えを感じる方はぜひ試してみてください。
大腸の腸もみ
大腸の腸もみは以下の手順で行なっていきましょう。
- まず、利き手を下にして両手を重ね合わせます。 (手のひら全体ではなく、人差し指と中指・薬指の3本を重ねてください。)
- 重なった指の腹を使って、右の骨盤の内がわ→右の肋骨の下→おへそとみぞおちの間→左の肋骨の下→左の骨盤の内がわの順番に押していきます。
- 息を吐くタイミングで押しながら、痛みを感じるポイントは念入りにおさえましょう。
指を立てるのではなく、指の腹を使って行なってください。痛みを感じるポイントを何度か押すと和らいできますが、逆に痛みが強くなる場合には押すのをやめてくださいね。
左の骨盤の内がわには、便がたまりやすい「S状結腸」があります。便秘の方は、とくにS状結腸の部分を念入りにマッサージすると良いでしょう。
腸もみを行う際の注意点
腸もみを行う前に、きちんと注意点も知っておきましょう。控えるべき方の特徴もお伝えしていくので、自身が当てはまっていないか行う前にチェックしてみてください。
こんな方は、腸もみは控えて
以下のような方は腸もみを控えるようにしてください。
症状や状態が落ち着くまでは、腸へ刺激を与えないようにしましょう。
- 妊娠中や出産して間もない方
- 胆石や腎臓結石がある、疑いがある方
- 腹部や生殖器などに炎症がある方
- 重度のヘルニアや重度の腰痛がある方
- 腹部に潰瘍(かいよう)がある、疑いがある方
腸もみは時計回り
腸もみはかならず時計回りに行うようにしましょう。大腸はおなかの右下から時計回りにぐるっと一周しています。
その流れに合わせてマッサージしていくことで、腸の動きをうながすことができるのです。逆方向に刺激を与えてしまうと、腸の動きに逆らってしまうため効果が得られません。
かならず時計回りに押すことを覚えておいてください。
おへそなどの急所は避ける
おへそやみぞおちなどの急所は痛みを強く感じてしまうので、押さないように注意しましょう。
あくまでも腸もみですので、おへその周りの腸を優しくマッサージしてくださいね。
指でピンポイントに押さない
指の先を使って押してしまうと、刺激が強く痛みを感じやすくなってしまいます。
あくまでも腸にやさしく刺激を与えるマッサージですので、かならず指の腹を使ってください。
腸もみ以外の方法も!寝ころびながらできる「腸エクササイズ」
腸もみ以外にも、寝ころんだ状態でより気軽にできるのが「腸エクササイズ」です。便秘以外にも、普段の食生活や運動不足により腸が下がってしまうと、ぽっこりおなかの原因になってしまいます。
腸を正常な位置に戻すことで、腸の動きも良くなり便秘やぽっこり出たおなかも改善が期待できるのです。
そこで、おなかとお尻も引き締める腸エクササイズを2つご紹介していきます!
どちらも寝たままで行えるので、寝起きや就寝前などにもかんたんに行えますよ。
エクササイズ1 腸ひねり
腸ひねりの手順は以下のとおりです。
- まずあおむけの状態で、ひざをたてましょう。
- 右あしを左のひざの上にかけ、クロスした状態にします。
- 両手は腹筋をするように頭の後ろに持っていきます。
- 息をはきながら両足を右に倒します。
- 息を吸いながら元の位置に足を戻し、次は息をはきながら左に倒します。
呼吸に合わせて右左と交互に両足を倒しましょう。3往復ほど行ったら、こんどは足を組み替えて行ってください。このとき背中がうかないようにベッドにくっつけておきましょう。両足を倒すときは無理に真横にせず、できる角度まで倒せば大丈夫です。
エクササイズ2 腸上げ
腸上げの手順は以下のとおりです。
- まずあおむけの状態で足は軽く開きひざを立てます。
- 両手をかさね、手首が骨盤の一番でっぱっている部分に当たるように置きます。
- 手が動かないように注意して、息を吐きながらお尻を上にあげます。
- 息を吸いながらお尻を下げます。
呼吸をしながら、3回ほど繰り返します。肩とひざがまっすぐになるように注意してください。
また、お尻をあげるときはお尻の穴をキュッとしめるように意識するのがポイントです。
まとめ
腸もみの方法や注意点などをご紹介いたしました。腸もみはおなかの不調を感じている方などにおすすめのマッサージです。
自宅で手軽に行えるので、ぜひ試してみてくださいね。