
「慢性的な肩こりが気になる、最近肩があがらない・・・」など、肩のトラブルに悩んでいる方は多いでしょう。四十肩・五十肩になってしまうのは、さまざまな原因があります。
今回の記事では、四十肩・五十肩の原因と少しでも緩和されるための具体的な方法をご紹介していきます。すぐに実践できるので、ぜひ参考にして日常生活に取り入れてみてくださいね!
肩こりは「疲労」で四十肩・五十肩は「炎症」
肩こりは加齢とともにひどくなっていくもの。
肩こりとよく聞く「四十肩や五十肩」はまったく別のものなのです。
肩こりとは、血流が悪くなることによって起こります。血流が悪くなる原因は筋肉の疲労や筋肉の強ばりです。一方、四十肩や五十肩は加齢によって、関節包や腱板に炎症が起こり痛むことです。肩こりは血流の悪さ、四十肩・五十肩は炎症を起こすことだといえるでしょう。
肩こりと四十肩・五十肩の区別は肩がどの程度動くかによってわかります。四十肩・五十肩というのは関節を酷使するなど、長年の日常生活が原因で起こります。普段、長時間同じ姿勢で仕事をしている人は注意したほうが良いでしょう。四十肩・五十肩は、40代で症状は出れば四十肩、50代で症状が出れば五十肩と呼ばれています。それぞれの症状に違いはありません。
また、起きた後30分くらい、関節の痛みを感じる場合「リウマチ」の可能性も考えられます。何もしなくても関節が痛い場合は、リウマチかもしれません。思い当たる方は、医療機関で診察を受けることをおすすめします。
四十肩・五十肩は鋭い痛みが特徴
四十肩・五十肩の痛みはきっかけがない場合が多いです。数週間から数ヶ月にかけてだんだん悪化していきます。
悪化すると、腕を上げる動作ができなくなったり、肩を動かすときにするどい痛みが走ります。腕が自由に動かせなくなることで、洗濯物干しや上着の脱ぎ着、シャンプーや洗顔ができないなど、日常生活のさまざまなことに支障をきたします。
痛みがピークの時には・夜眠れないほどの激痛があることも。何もしなくなってしまうほどの激痛があったり、肩全体が傷む状態というのは、炎症がひどくなっているといえます。
何をした時に痛みを感じるのかチェックしてみよう!
この動作で痛みを感じれば四十肩かもしれません。いくつかあげてみるのでチェックしてみてくださいね。
この中で、1つでも当てはまると気をつけた方が良いでしょう。
- 服を着る時に肩が痛む
- 手を後ろに回すことが難しい
- 寝返りを打つ時に肩に激痛が走る
- 頭を洗う時に肩が痛む
- 腕をあげると痛む
気になる初期症状とは
肩の痛みはどのような感じでしょうか。初期症状は、肩を動かすと動かした最後に痛みを感じます。
また手を後ろに回す動作をすると痛みを感じることが多いでしょう。初期はまだ肩を動かせるのでテニスや球技など腕を使う運動もできます。
しかし、症状がひどくなると日常生活に支障が出ます。また肩の動きも鈍くなり痛みも強くなってきます。さらに進行すると、常に痛い状態が続きます。また寝ている間に痛みを感じることもあるでしょう。
痛みには3つの状態がある
四十肩・五十肩は段階によって症状が異なります。3つの症状があります。
「急性期」という痛みが強い時期、「慢性期」という痛みが落ち着いているが肩が動かせない時期、そして「回復期」といい痛みが改善されていく時期に分けることができます。ほとんどの場合は、徐々に痛みが落ち着いていきます。
「急性期」は痛みが弱く、肩に重いものが乗っかっている感じや肩周りにするどい痛みを感じたりします。
そして、寝ている間に痛みを感じる、感覚異常になることがあります。「慢性期」になると、寝ているときの痛みは軽くなります。しかし、この時期に動かしすぎてしまうと後にひびいてきます。
最後に「回復期」に突入します。この時期になると痛みが和らいできており、動かしても痛みが出ることはありません。
痛みに気づきにくい初期段階
四十肩の初期の段階は肩を動かしたときに、動かした直後に痛みを感じます。
痛みはありますが、肩が動かせないわけではないので、ゴルフやテニスなどのスポーツができることも多いでしょう。徐々に、肩の動きが鈍くなってくると日常生活でも不便さを感じることが多くなります。
肩の動きが鈍ってくると痛みが増してくるのが四十肩の特徴です。症状がひどくなると、腕を動かしたときだけではなく、何もしていない時にも痛みがあらわれるようになります。
炎症のピーク
四十肩の炎症のピークは、10日〜2週間だといわれています。ピーク時には何もしなくても痛みがあります。
肩や腕を動かしてしまうと激痛です。このピーク時は、痛みがひどくどの箇所が痛いのかを特定するのが難しいといわれています。また、寝ている間に痛むことがあり睡眠がうまくとれません。
激痛がある場合、自力での対処は難しいので早めに整形外科や病院で診察を受けることをおすすめします。いつか治るだろうと痛みを我慢してしまうと完治するのに時間がかかってしまうでしょう。
痛みが和らいでくる回復段階
四十肩の痛みが始まり、約1ヶ月後には「回復期」といわれる時期に入ります。
「回復期」では痛みが弱くなり、どのあたりが痛むのか場所がわかるようになります。痛みが弱くなったからといって、安心して肩を動かしてしまうと「炎症期」に戻り治るまでの時間がかかってしまうでしょう。
四十肩・五十肩の痛みを軽減する3つの方法
「回復期」では痛みが弱くなり、どのあたりが痛むのか場所がわかるようになります。痛みが弱くなったからといって
四十肩や五十肩の痛みを解消するには筋肉を積極的に動かしましょう。この時、間違った動かし方をしないように気をつけないといけません。
立つ・座るという動作だけでも肩関節に大きな負荷をかけることになります。腕が抜けないように支え続け、その状態から腕を重力にさからい動かします。そのため、肩関節はいつも疲労しているのです。そこで、なるべく関節に負担をかけないようしましょう。血行をよくするための方法をご紹介します。
ストレッチなど軽い運動をする
四十肩や五十肩はスポーツをおこなうことで予防をすることができます。
スポーツといっても自宅でできるようなストレッチで良いでしょう。肩のストレッチや簡単なトレーニングをおこなうことで、血行をよくすることができます。
肩の筋肉をほぐし、柔軟性をよみがえらせる効果があるストレッチ。四十肩・五十肩は腕を上にあげることが難しいのですが、ストレッチによってその症状をやわらげることができます。トレーニングでは筋肉力を増やすことができ、四十肩・五十肩の原因の1つである筋力低下を防ぐくとができます。
入浴や温湿布で血行をよくする
痛みがある部分の血行をよくすることで、症状がやわらぎます。
医療機関では、温熱療法をおこなうことが多く、ホットパックや、マイクロ波といった機械を使った治療をおこないます。自宅でも温熱療法をおこなうことができます。蒸しタオルや温湿布、入浴などをおこない患部を温めるという方法を実践できるでしょう。
しかし、温湿布は体質に合わないと肌荒れを起こすことがあります。同じ場所に長時間貼り続けるのは避けた方が良いでしょう。また、入浴時にヒリヒリすることもあります。入浴する何時間か前には剥がすことをおすすめします。
激しい痛みや患部の熱は冷湿布で冷やす
四十肩・五十肩の症状により肩の痛みが激しく、熱をおびている場合、温めるのではなく冷やすと良いでしょう。
炎症をおさえる「寒冷療法」というものがあります。病院ではアイスパックなどを使うのですが、凍傷を起こす恐れもあり、自宅での対処法としてはあまりおすすめできません。
自宅で対処する場合は、冷湿布を使うと良いでしょう。長時間冷やしてしまうと筋肉がこわばってしまうので、痛みがやわらいできたら、温湿布などで血行をよくしましょう。
今からできるストレッチ方法
かたくなった肩甲骨の動きをよくするためにストレッチは適しています。
15個の筋肉によって肩甲骨は支えられているのです。そのため、日頃から肩甲骨には負荷がかかっています。ストレッチをすることで、肩甲骨周りの血行がよくなり筋肉がほぐれます。首から肩をほぐすストレッチをご紹介します。
「左右の肩甲骨をくっつけて内側に寄せる」「首をすくめ、肩甲骨を上げる」「左右の肩甲骨を引き離す」この順番で肩甲骨ほぐしをおこなうと四十肩・五十肩の改善につながるでしょう。
まとめ
四十肩は肩を思うように動かすことができなくなったり、痛みがでたりします。
そのため、日常生活に悪影響が出ることもあります。日頃のちょっとした心がけで四十肩は予防できます。
また、筋力の低下や血行が悪くなることが原因なので、運動をする習慣を身につけることが大切です。
また、デスクワークなどの仕事をしている方も、ストレッチをするなど、ちょっと気をつけるだけで、予防につながります。40代、50代になっても四十肩にならないよう、今から気をつけておきましょう。